オルハン近影
オルハンである。写真は合成。

◎機内にて〜イズミールは遠かった

 飛行機に乗る。エアバスだ。日本航空とトルコ航空の共同運行便なので、日本人スタッフもいる。もっとも、飛行中はこちらの列にあまり来なかったけど。

 さあ、離陸だ。飛行機に乗るのは一年ぶりなので、楽しい。飛行機の飛ぶ瞬間は、いつもわくわくする。さて、高度が安定すると、機内が結構空いていたので、みんな「一列占領!」 「毛布&枕使い放題!」 と好き放題やっている。我々もおもむろに窓側の席に移動、当然毛布&枕を幾つかゲットした。しかしディスクマンが使えず弱まる・・・ これでは、何のために持ってきたのかわからないではないか(結局ディスクマンは旅行中全然使わなかった。とほほ。)。中国西北航空では使い放題だったのに、航空会社の見解って一体? 機内ではトゲピー、もとい赤ん坊がよく泣く。十数時間も乗っているので仕方ないか。ここから先、旅行中赤ん坊を見かけると、夫婦で「ほらトゲピー。」 と呼んでしまう。前の週に何の映画を見に行ったかまるわかりだ・・・

 飛行機の中では、ブロイラーのごとく機内食を食べたり、お茶を飲んだり、寝たりする。結構食事はおいしい。飲み物も旨い。これは良かった。時々ぼーっと外を見る。経路図を見ると、韓国上空から北京を経て、甘粛→新疆→カザフスタンの上空を通過するようだ。「おお、これは遊牧民が越えた道ではないか!」 と一人感動する。眼下を見れば「おお!中央アジア! だだっ広いなあ!」 「あれがアム川か!」 「カスピ海って広いねえ!」 「黒海だ! 海の向こうはウクライナ(by奥さん) 」 と感動しつつ、現地時間の夕方六時半にイスタンブール着。眼下に見えるはマルマラ海、あちこちにミナレットが建っている! ここはイスラムの国なんだと一人感激。

 イスタンブールのケマル・アタテュルク空港からエーゲ海沿いのイズミールまで乗り換え。現地案内人もここではまだいない。自力で乗り換えである。ここで降りる客と紛れないように、人通りが一段落するまで待ち、まずトランジットゲートを探す。事前に旅行会社からファックスで案内図をもらっていたが、なんか全然違う。途中聞こえた空港職員の「osaka」と呼ぶ声を頼りに、何とか乗り換え手続きを済ませる。空港は雑然としている。手狭になったらしく、新ターミナル造成工事もしていた。閑散としていた関空とえらい違いである。スカーフをしていたり、チャドルを身にまとった女性を見かける。やはりここはイスラムの国だ。しかし、女性はみんなスラッとして足が長い。しかも綺麗だ。そればっかりいってたら奥さんが御機嫌斜め。新婚旅行なので、間違ってもそういうことは言うもんじゃないらしい。しかし綺麗なのは事実だ。逆にトルコ親父は日本人とそう変わらず、中肉中背である。なんか親しみがもてるぞ。うん。

 取り敢えず銀行でお金を100US$ほど換金し(なんか27,500,000トルコリラ(TL)とかになって、目が点。そう、トルコはインフレがすごい! 1US$=約270,000TLである。今はまたレートが違っているかも。)、お茶を飲む。アイスティーを頼む。砂糖&ミルクなど入れていないので、当然ちょっと苦めの味を予想して飲む。しかし「甘かった・・・」  桃の味だ。「スウィート!」 これがトルコからの思いがけぬ洗礼であった。

 その後、聞き慣れぬトルコ語と、すっかり脳味噌から忘却されている英語のアナウンスに必死に耳を傾ける六人。「いまイズミールっていったよね 」 「たしか五十分遅れるって!」 なんってこったい。暇になったので、今度はミネラルウォーターを買いに行く。400,000TL! すっかり金銭感覚がおかしくなる(旅行の間中、水の値段で物価を把握していた。これが一番よく買ったので目安になったからである。「はやと君」 にはお世話になった。あと「するたん」 にも。ちなみにこれは銘柄。)

 とりあえず、待ち時間や飛行機の遅れなどもあったけれど、なんとかイズミール行きの飛行機に乗る。中でガキがうるさい。泣き出すわ(どうも空港でお母さんと分かれて、別便に乗る羽目になったようだ。)、シートベルトを勝手に外すわ、離着陸の時に機内をうろつくわで、迷惑この上ない。見るに見かねた前の席の男が無理矢理自分の横に座らせ、固定をする。やるな兄ちゃん。しかし、この人物とは後に意外な接点が・・・

 イズミールの空港に着く。外はすっかり暗い。荷物は無事にあった。しかし案内人がいない。「おーい! 我々が遅いから行っちゃったのか?」 途方に暮れる六人。しかし、「大阪からですか?」 との声が、ふとみると、そこにはさっきの兄ちゃんの顔が。彼が案内人だった。何のことはない、イスタンブールから同じ飛行機で一緒に来たのである。だったら飛行機の中で探せよ! 名前はオルハン、26歳、背も高くて結構男前。関係ないがオスマントルコの二代目君主と同じ名前。特徴はスキンヘッド。これが旅行中いい目印になって、探すのに苦労しなかった。有り難う! オルハン。でも暑くないんかねえ?

 車でイズミール市内へ行く。車窓から見える風景は、かなりヨーロッパ・アメリカナイズされている。トルコはNATO加盟国。イズミールにはNATOの基地もあったはずだ。「沖縄の風景と似ているなあ。」 と感じる。軍事の町ってどこでもこんな感じなんだろうか。取り敢えずホテルに着く。ヒルトンだ! 贅沢だねえ。ただサイズが欧米人向けなので少々でかい。ドアノブの位置や、トイレの便器の高さが少々高い。足の短い純日本人体型の私にとっては、危うく足が着かなかったくらいである(旅行途中の小トイレでは、何が便器にようやっと届くくらいであった。下品で失礼・・・ )。窓からエーゲ海が見える。景色は良い。夜遅かったので、さっさとシャワーを浴びて寝た・・・


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